藪原検校の稽古が始まった。五年前に、初めて地人会の公演に出演させていただいたのが、この藪原検校だった。役は、盲目の少年杉の市。
この作品、井上ひさし先生の代表作の一つで、三十年以上前から何度も上演されてきた。僕の役、杉の市は僕で四代目。
「藪原検校」は、東北の田舎町で生まれた杉の市という盲目の少年が、数々の悪事によって大金をつかみ、金の力で検校という最高位を手にするが、おしまいには悪事の露見によって処刑されてしまうという物語。歌あり踊りありの芝居で、十人の出演俳優がそれこそ休むまもなく芝居を進行していく。初めて杉の市をやったときは、僕はこの作品と杉の市という役にノックアウトされた。初日から三日目ぐらいはまだ元気だったけど、そのうち公演が終わる度にどんどん疲労が溜まってきて、声もかすれてきた。公演の半分を過ぎた頃、朝起きたら声が全く出なくなってて、あわてて病院に行った。あの時は泣きたい気分だったなぁ・・・こんな状態になってしまって、今夜の公演どうすんだよって。でも、病院で貰った薬飲んでなんとか千穐楽までやりとげた。
今回で杉の市は三回目。二年前の再演のときは、体はやっぱりしんどかったけど、声を壊すことはなかった。少しは余裕が持てたのかなと思う。これから一ヶ月以上稽古が続く。声にも体力にも余裕を持ったまま、杉の市という役を深めていきたい。
この写真、今日稽古場入り口で撮ってみた。
少し日焼けしてるんだけど、海やプールで焼いたんじゃなくて、僕が通ってるスポーツジムの日焼けマシーンで焼いた。別に日焼けなんかしたくないんだけど、演出の木村光一先生に、「君は肌が白いから、悪の雰囲気がない。真っ黒に日焼けしてきて欲しい」と稽古に入るずっと前から言われてた。
今日、稽古場で木村先生に久しぶりに会ったんだけど、「おはようございます」って言ったら、「おう、おはよう」って言って、いきなり僕のTシャツをまくって、「どれどれ黒くなってきたか・・・うーん、もっと黒くなってくれよな」だって。
僕は木村光一という演出家を心から尊敬しているので、木村先生に要求されたことには100%応えたい。役作りのために日焼けが必要なら、せっせと焼こうと。でも、このことについてはちょっと納得いってなくて、黒くなったら、もっと悪人に見えるのか?と思ってしまう。外面がどうだろうと、内面が悪人なら、悪人に見えるんじゃないかと。「その内面が足りないから黒くなれと言ってるんだ」と木村先生は言うかもしれないけど、稽古はこれからじゃん。稽古する前から、黒くなれか・・・
やば!、この日記木村先生読むかな・・・まさか、読まないよなぁ・・・・・・まっ、読まれてもいっかー、えへへって、笑ってごまかそ。
今日、初日の稽古は歌と踊り中心の稽古だった。芝居の稽古は三、四日先からにしてまず歌、踊りをかためようというわけ。久しぶりに幕開きの曲を歌って踊ったけど、やっぱりハードな曲だなぁと思った。焼肉でも食べに行って、スタミナつけるか。
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