4 posts categorized "女殺油地獄"

June 27, 2005

油地獄、終了

「女殺油地獄」は六月二十五日、藤沢市での公演をもって終了した。北海道巡演と東京に帰ってからの二回、合わせて16ステージ。稽古日数も少なかったけど公演期間も短かった。でも、短いなりに実り多い公演だったと思う。前やったときは、悪になろうという気持ちが強すぎた。今回は、どこにでもいるどら息子が、ほんのはずみで道を踏み外していく悲劇。そうゆうものになればいいなと思ってやっていた。臆病で、強い者には情けないくらい弱くて、弱い者には傍若無人に振舞う。弱いくせにいきがっていて、どうにもならないくらい追い詰められた時に、はずみで殺人を犯してしまった。そんな与兵衛になりたかった。父の与兵衛もそうだった。

父は女形であり、立役でもあった。女形の芸を充分に身に付けた父が演じる与兵衛には、和事の柔らかい味があった。僕にはその点が一番足りないのだけど、今回の公演ではとにかく柔らかく、柔らかくということを心掛けた。ぎらぎらした男ではなくて、へらへらした男。暗くならずに明るく。

今回で完成なんて思っていない。でも前回、硬くなってしまっていた部分が、力が抜けて楽にできるようになったことは事実。これは僕の中では収穫。

またいつか与兵衛をやりたい、その機会がくることを願っている。

千穐楽の日、何枚か写真を撮ってみた。
gakuyairiこれは楽屋入りの時、暖簾の前で。この暖簾は僕の伯母が贈ってくれたもので、この写真にはちょっとしか写ってないけど、なでしこの花が描かれている。僕の初めての暖簾、自分の暖簾を持った時は嬉しかった。

koshirae これは、扮装を終えて開演を待つ間に楽屋で撮った。千穐楽のメーク(僕たちは顔をすると言う)は、なぜかいつもより時間をかけてしまう。もう今日でお終いだなと思うと、ついつい丁寧になってしまう。

開演直前にみんなと。この写真好きだなぁ、いい感じ。和気あいあいとした公演班で、とても楽しい旅だった。
senshuraku

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June 12, 2005

あと六回

abura_yohei
 北海道に来て十二日目、今日は再び札幌に宿泊して明日は江別市で公演。北海道は残すところ江別、苫小牧、函館で計四回。東京帰ってからは埼玉と神奈川で二回だから、今回与兵衛を演じるのはあと六回。
 あらためて、油地獄という名作にたずさわれること、そして河内屋与兵衛という役をやらせていただくことに、大きな喜びを感じてる。自分で自分の芝居をよくできてるなんて、全然思わないけど、お客様がとてもいい拍手を下さっている。この作品を受け入れて貰っているのだなと、ほっとしている。
 今回の北海道巡演では、細かい部分なんだけど、あぁ、こうすればもっと観客に思いが伝わるんだと、分かったことがある。例えば、序幕で与兵衛は遊び仲間と一緒に、自分の誘いを断った、芸者小菊を追いかけてくるのだけど、小菊を見つけたとき、前は「いやがったなぁ!!」と、どちらかと言うと頭カッカしてるという感じが強かった。今回は、「わーい、小菊や、小菊や」と、入れ込んでいる芸者に会えて、心うきうきという感じが強い。そのほうが与兵衛らしいのではないかと。他にもあるけどこれぐらいにしとこう。これからご覧になるお客様がたくさんいらっしゃるから、先入観持たずに観ていただきたい。
 とにかくあと六回。与兵衛をやらせてもらえる喜びを感じ、いい緊張感をもちながら、楽しく演じられたらと思う。
 

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June 05, 2005

女殺油地獄

 「女殺油地獄」は北海道札幌での三日間の公演を終えて、今日は滝川市で夜公演。仕込が一段落したので楽屋でダイアリーしてる。16日まで続く、北海道各地を回る旅の四日目。
 北海道、やっぱ好きだなぁ。風が爽やかで気持ちいい。ホテルから会館までけして近くはなかったけど、三日間散歩気分で通った。食べ物もうまい!ジンギスカン、みそラーメン、カニ、魚、札幌ではいろんなもの食べて、ほんと大満足。これから行く街でも美味いもん食うぞ!

 油地獄の河内屋与兵衛は僕の父、六代目嵐芳三郎の当たり役だった。それを劇団が僕にやらせてみようと、新たに作ったのが1999年の3月。父が亡くなって三年後のことだった。初めてやったときはほんとに苦労して、父が生きていたら稽古を見てもらえるのにと何度も思った。まったくできなくて、やはり与兵衛なんて自分には過ぎた役なんだと感じた。でも、もういない父を頼ってもしょうがないし、せっかく劇団が僕を与兵衛に抜擢してくれたのだから、今の自分の力でなんとか創りあげよう、結果、ぼろくそに言われてもいい!と開き直って舞台にたった。もう無我夢中だった。

与兵衛という役にはいろんな解釈があって、上方和事の味が必要とか、それとは逆に和事味を捨ててもっと不良少年にならなければいけないとか、人によって意見が様々。僕もいろんな役者の油地獄を観たけど、それぞれ全然違う役作りだなぁ、と思った。

 僕が目指している与兵衛は、目に焼きついている父の与兵衛。上方の二枚目らしい柔らか味が充分にあるのだけど、それが柔らか過ぎず、自分勝手に生きてきた与兵衛が、お吉という女性を殺すまでに至る過程がはっきりと伝わって、終幕に捕らえられ泣き笑いで花道を入っていった父の与兵衛。少しでも近づきたい。
 今回も、前進座劇場でやった舞台稽古で、劇団の先輩達からいろんな意見をもらった。前より良くなったところもあれば、まだまだできてないところもあると・・・そうだと思う。父のような柔らか味を出すことが、僕には一番難しい。ただ、いつも厳しい母が電話で「お父さんに似てきたよ」と言ってくれた。嬉しかった。それを励みに北海道に来た。

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May 27, 2005

二週間ぶり

 五月の国立劇場公演が終わって、今は六月の北海道巡演「女殺油地獄」の稽古中。国立が終わってほっとする間もなく、札幌の初日に向かって連日朝10時から夜9時までの、とても集中した稽古が行われている。今日は初めて7時に終わったので、久しぶりにダイアリーしてる。
 初日は六月の二日。あまりに稽古日数が少ないけど、それを補うために、ほんっとに充実した稽古をしている。不器用な僕には稽古が少ないのは正直辛いけど、初日のお客様に喜んで貰いたいから、なんとかくらいついていきたい。ただ、前にも油地獄の河内屋与兵衛はやってるので、すでにセリフは入っているし、動きも心得ている。それを真実感を持って演じ、与兵衛にならなければ。短い稽古はスケジュール上しょうがないこと。それを言い訳にしたくない。やるっきゃない!
 今日はこれでお終い。今度は北海道行ってから書こう。
さてと、シャワー浴びてビール飲んで、もう一回台本読もう。どんなに追い詰められてもビールだけは、止めない(笑)
abura
前進座公演
「女殺油地獄」詳細はこちら

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