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February 24, 2007

貴重な経験

 今日の二回公演、なんとか無事に済んだ。急な代役で主役の栄二を勤めた叔父の嵐圭史は、一晩でかなりの台詞を覚えてきたけど、やっぱり完璧とまではいかなかった。でも、それは誰にも責められないよ。3日あれば完璧に覚えたと思うけど、たった一晩だったから無理も無い。むしろ、一晩で、よくぞここまで覚えてくれたと言いたい。

 それにしても、叔父の若さには驚く。声の張りといい、動きといい、年齢を全く感じさせない。そしてさすがに、三十数年前の「さぶ」の初演から栄二を何度も演じてきただけあって、栄二の心の動きはしっかり掴んでいて、台詞さえ完璧に入っていれば、申し分のない栄二だと思った。

 それと、叔父がやっていた同心の岡安は瀬川菊之丞先輩が代役で勤めてくださってるんだけど、さすが菊之丞さん!素敵な岡安だ。

 急遽代役になった栄二と岡安によって、芝居全体に変化があったように感じるし、他の出演者も思いもよらない事件に、気を引き締めなおしたんだ。だから、舞台にはなんとも言えない緊張感があった。その緊張感が芝居をよくしているように、おれは思う。

 おれ自身、叔父という、おれにとって新しい栄二の出現に、始めてさぶをやらせて貰ったときの、どきどき感が蘇っているんだ。

 益城さんの悔しい気持ちを思うと複雑だし、これまで一緒に「さぶ」を創りあげてきた益城さんと千穐楽までやり遂げることができなかったのは、おれもとっても残念だ。でも、益城さんとはまたいつかコンビを組むことがあるかもしれないけど、叔父とは、ほんとにこれが最初で最後だろう。あと二日間、3ステージ。この予期しなかった貴重な経験を、充分に味わいたいと思う。

せっかく写真を撮ったので載せておこう。Kabayaki

さぶが持っているのは、うなぎの蒲焼の折り詰め。二幕目で使う小道具なんだ。ちなみにうなぎの蒲焼は栄二の大好物。

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