立ち稽古
「息子」の稽古は、テーブルを並べて座布団に座ったままの「読み合わせ稽古」を終えて、明日から「立ち稽古」。立ち稽古に入ると、始めのうちは台本を持ったままで大まかな動きを決めていきます。そして二日目、三日目と稽古していくうちに、細かい部分も徐々に決っていって、四日目あたりから、覚えの早い人は台本を持たずに稽古します。でも、早いうちから台本を無理に放すのはよくない。演出家にしてみれば全体の流れや、だいたいの上演時間も気になるところなのに、台詞が出てこない役者のために芝居が止まったりすると、「覚えてないなら、まだ本持っていいよ!!」、なんて言われます。そう言うのも分かる。全体の稽古は個人の台詞覚えの稽古ではなく、芝居の骨格を作っていくものですからね。台詞覚えは稽古時間外に自分の家でやって欲しいという事です。それに、「明日までに絶対覚えて来い!」なんてことを演出家は言いません。台詞覚えの早い人、遅い人がいて当たり前だと思うし、まだ覚えたという自信を持てない人は、台本を持ったままで、流れを止めずに感情のこもった芝居をすればいいんです。それはそれで、その人の役作りのリズムだと思う。僕が新人の頃、台詞を覚えてしまったので、立ち稽古の初日から本を持たなかったら、ある先輩に「台詞は覚えりゃいいってもんじゃない。あんまり早く本放すと芝居が固まりすぎちゃう。今はまだ本持っていいから、いろんな気持ちを探っていけ」と言われました。そのときは、早く覚えるに越したこと無いじゃんと思ったけど、今はその先輩の言ったことは正しいと痛感する。ほんと台詞って覚えりゃいいってもんじゃない。芝居作りをあせってはいけない。ただ稽古終盤になっても台本を放さない人はどうかと思うけど。
今回の「息子」については、かなりつっこんだ読み合わせ稽古ができたように感じます。演出家から「座ったままだけど、動きを想定して、間をたっぷりとってもいいから、感情をしっかり作って読んでみて。」という指摘がありました。なので読み合わせだけど立ち稽古のつもりで読んでいました。おかげでずいぶん頭に入った。でも、まだ本放しませんけどね。
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