床山の谷川さん
ダイアリー再開してから、今回が三回目。最近筆がよく回る・・じゃなかった、キーボードがよく動く・・なんか変、キーボードを叩く指がよく・・・・・どうでもいいですね(笑)
「お登勢」大阪公演も三日目が終わりました。おかげさまで連日たくさんのお客様が来てくださってます。千穐楽までお客様の入りは上々のようで、大入り袋が出ることになりました。いや~目出度い、目出度い。お芝居はお客様がたくさん来て下さらないと興業的に成り立たないし、客席が一杯だと、僕たち役者もとても嬉しくて、結果的にいい芝居になったりします。いえ、もちろんお客様が少なくても役者は真摯に芝居に臨むのが当たり前ですが、そりゃ~やっぱりたくさんのお客様が観てくださっていると思うと、自然にテンションも上がります。芝居というものは舞台と客席が共同して創るものなんだなと、感じます。
前回のダイアリーで床山の谷川さんのことに少し触れましたが、この人は前進座にとって無くてはならない人です。かつらを作るのはかつら屋さんですが、床山という仕事は、その役者の顔に合ったかつらを作るために、かつら合わせに立ち会って、かつら屋さんにいろんな注文をだします。で、出来上がってきたかつらを、その役柄にあったものに結い上げるのが仕事です。公演中は役者の頭にかつらを乗せてくれたり、乱れた髪をなでつけたり結いなおしをしてくれます。「お登勢」では、僕がやっている睦太郎が、逆上してお登勢を斬ってしまう場面があるのですが(これから観る方ごめんなさい)、その時にお登勢のかつらが「総さばき」という仕掛けによって、結っていた髪がバラけます。そのかつらを二回目の公演のために、毎日短時間で同じように結い上げます。なので、芝居の演出上「総さばき」が多用されると、床山さんは大忙しになります。
谷川さんは、前進座の全ての役者の顔の細かい特徴を知り尽くしていて、この役者にはこういう形のかつらが、役柄として一番魅力的に見えるという事を知り尽くしています。それだけでなく、メークにも適切なアドバイスをたくさんしてくれます。僕も二十代の頃たくさん教わりました。僕の目の形は目尻にこの角度で線を入れると、もっときりっとした目になるとか、眉毛と目の間にこの色のドーランを入れると色気がでるとか、顔の形が左右微妙に違うから、右側の眉毛は、左に対してもう少し上げたほうがいい、というアドバイスを貰いました。今でもそれがとても役立っています。前進座の役者は、谷川さんにメークを見てもらって、谷川さんの結ってくれたかつらを乗せることで、安心して舞台に立てるのです。
余談ですが、テレビでタレントさんがかつらのことを、「づら」と言っているのをたまに耳にしますが、この言葉は嫌いです。僕たちは絶対にづらとは言いません。なんだか、かつらというものを軽んじた言葉に感じます。僕は、お芝居のかつらは一つの芸術品だと思います。
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